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スライドレール選定にあたって
Choosing slide rails
当社はスライドレール専門メーカーとして、様々なご要望に対応した製品を数多く取り揃えております。
ご選定いただくにあたり、大きく3項目より絞り込み詳細をご検討ください。
- 耐荷重
- 全閉時全長、移動距離(トラベル)
- 機能(引き抜き可能・不可等)
また、適切なご検討ができるよう各項目について下記に取りまとめておりますのでご参考ください。
ご不明点などございましたらご気軽に当社までお問合せください。

スライドレールの構成
スライドレールは、ドロワーメンバー(インナーメンバー)、中間メンバー、キャビネットメンバー(アウターメンバー)と、ボールベアリングとそれを保持するボールリテーナーで構成されています。
インナーメンバーとアウターメンバーで構成されるスライドレールを「2メンバー」、ドロワーメンバー、中間メンバー、キャビネットメンバーで構成されるものを「3メンバー」と呼びます。

スライドレールの長さ:トラベル
スライドレールの長さは、完全に閉じた時の長さです。
トラベル(移動距離)は、最大にスライドレールを伸ばした時の全長から、上記のスライドレールの長さを差し引いた長さです。
全閉時全長の3/4を引き出せるものを「3/4トラベル」、全長以上引き出せるものを「フルトラベル」と呼びます。
また、前後両方向に引き出せるものもあり、「ツーウェイトラベル(TW)」と呼びます。

「スライドレールの基本構成~THE ACCURIDE BUILDING BLOCK 」
スライドレールの各パーツの名称や基本となる構造について動画で紹介しています。
YouTubeで見る定格荷重
ユニットの寸法および重心位置・使用頻度・取付方法また環境条件等により、スライドレールの「耐久性・耐荷重特性」は大きく異なります。
当社製品における定格荷重は、図のように引き出し部の重心が、スライドレールのトラベルおよび左右の幅の中心に置かれた状態という条件に基づいています。
取付幅400mm、スライドレールがキャビネットとヒキダシ部の左右に固定され、垂直に設置されている状態です。

スライドレール設計上の注意点
スライドレール設計上の注意点をPDFにてご用意致しました。(全6ページ)
スライドレール設計選定時の参考にお役立て下さい。
安全率について
アキュライドの定格荷重は安全率2以上をみています。予期せぬ負荷が掛かる状況を想定した数値です。
取り付け方による耐荷重変化
設置された状態が垂直でない場合、耐荷重は大きく変化します。例えば水平状態に取付けられた場合は、当カタログにある定格荷重の「25%」以下に減少します。

定格荷重曲線について
※図はモデル301の定格荷重曲線を例としています。
定格荷重曲線は特注品した際の移動距離と定格荷重の関係を示したものです。
「T=(T)」の青色の曲線はカタログ標準品の定格荷重を示しています。
これを基準としてカタログの移動距離より長くすると定格荷重は下がりますが、大きく引き出すことが出来ます。
反対に、基準の移動距離から短くすることで定格荷重を上げることが出来ます。

スライドレールの取り付け方
スライドレールのヒキダシへの望ましい取り付け位置
スライドレールは元々は家具の引出用の金物として誕生しました。そのためヒキダシの側面に、縦方向に取付けることを想定しています。
間口の広い、あるいは背の高いヒキダシの場合、開閉時に振れが出やすくなります。そういった場合は、スライドレールを追加して補うなどで振れを減少させることが可能です。
取り付けはなるべく左右平行・均等な位置に、荷重を垂直方向で受けるように行ってください。左右均等でない取り付けにより傾きが発生した場合、スライドレールが垂直方向以外の応力を受け、その結果製品の性能や寿命に影響を及ぼすことがあります。また、水平方向での使用や片側使いでの使用は耐荷重が大幅に減少するため当社では推奨していない使用方法です。

左右のスライドレールの平行を確保しましょう
左右のスライドレールの平行度が出ていないとなめらかでスムーズな動きにならないだけでなく、スライドレールの耐久に影響を及ぼします。また異音などの発生原因ともなります。ヒキダシ、筐体の設計をする上で極力この平行を確保するようお願いします。
(1)上下方向の平行
治具などを使い、図の「Θ1」の値が左右のスライドレールで極力同等となるよう取り付けて下さい。
取付穴でタテ長穴のあるスライドレールの場合、タテ長穴を仮止めし、開閉動作などでスムーズに動くよう調整を行った後、本締めをするとよいでしょう。

(2)前後方向の平行
図は取り付け間口のフロント側に比べてリア側が狭い取り付けとなってしまった場合を表しています。
このような場合、ヒキダシを開いて行くに従い左右平行度の誤差が増幅しますので、初動は軽くても開いていくと徐々に摺動力が重くなります。
このような状態でヒキダシの開閉を繰り返しますと摺動面のダレなど変形をもたらし、製品寿命に影響を及ぼします。

スライドレールには引き抜けないものと引き抜けるものがある
■ ストップタイプ
全開させた際に、引き抜くことが出来ないスライドレール。
■ フロントディスコネクト
全開させた際に、ドロワーメンバー(インナーメンバー)をフロント方向に引き抜きできるスライドレール。フロントディスコネクトには以下の3タイプがあります。
ブレーキストップタイプ
全開させた際に、摩擦抵抗により減速し、さらに強く引くと引き抜けるタイプ。
ロックタイプ
全開させた際にロックされ、スプリング・レバー・ラッチ等を操作することにより解除され、引き抜きができるタイプ。
オートロックタイプ(AL)
ディスコネクトスプリング・ディスコネクトレバーを操作することで、ドロワーメンバーを引き抜くことができるスライドレール。全開時にロックはされないが、収納(押し込み)する場合、解除の操作を行わなくても収納することができる。
当社スライドレールの着脱の機能について動画で紹介しています。
機能紹介・ストップタイプとフロントディスコネクト。
YouTubeで見るスライドレール機能紹介ロックタイプとオートロック(AL)の違いについて。
YouTubeで見る必要に応じその他にもいろいろ特色ある機能のスライドレールがある
消音タイプ
全開時及び全閉時のメンバー同士の衝突による金属音を軽減させます。使用するパーツにはフエルト、樹脂製バンパー、クッションなどがあります。
リニアメカニズム
セルフクロージング
イージークローズ
セルフクロージング同様、ヒキダシの収納時に全閉の手前から自動的に引き込んでくれる機構ですが、その際の引き込む動きがゆっくりと閉まっていく機構。アンチリバウンド(跳ね返り防止)の機能も併せ持ちます。
取付穴の種類
当社標準品の取付穴は主に次のような取付穴で構成されています。

それ以外に、他のメンバーと重なっているなどで直接アクセスすることのできない取付穴にアクセスするための「アクセスホール」を隣接するメンバーに設けています。アクセスホールをねじ止めしたい取付穴の真上まで動かして使用して下さい。
当社スライドレールの標準品は汎用性を持たせるため、多めに取付穴を明けていますので、必ず全ての穴をねじ止めしなければいけないと云う訳ではありません。

ねじ止め箇所
スライドレールを使用する時は、ねじ止めしてある箇所を支点として負荷がかかります。ですから出来るだけスライドレール先端、後端に近いねじ穴を使用するようにしてください。。

全開時にボールベアリングがかかっている箇所を極力止めるようにして下さい。
特にキャビネットメンバー(アウターメンバー)先端、ドロワーメンバー(インナーメンバー)後端は一番負荷の掛るところですので特にしっかりと止めて下さい。連続して穴が空いていたら複数個止めることをお薦めします。あとはスライド長さに応じスライドレール中程の取付穴を止めて下さい。

それぞれのスライドレールにあった正しいねじを使いましょう
ねじは各モデルに対する推奨ねじを使用して下さい。
推奨ねじは当社「スライドレール総合カタログ」またWEBカタログ(PDF)の注記部分に記載されています。(図参照)中荷重以上のモデルでは主にM4のバインドねじまたはトラス小ねじを推奨しており、軽荷重用のモデルでは主にM3のバインドねじまたはトラス小ねじを推奨しております。
推奨ねじ以外のねじを使用した場合、スライドレール内部でパーツと干渉しスムーズな動きを得られない場合があります。また異音などの発生原因ともなり、最悪の場合、スライドレールが動かない、あるいは破損に繋がることもあります。
必ず「スライドレール総合カタログ」、WEBカタログで推奨ねじご確認の上、正しいものをご使用ください。

モデル別スライドレールの取り付け方

1フレームや側板などに取り付ける位置を決めて、キャビネットメンバーを仮締めします。

2キャビネットメンバーのフロント側の取付穴はアクセスホールを介してねじを止めます。

3反対側の相手方も①②と同様の手順で、キャビネットメンバーを仮締めします。

4左右のスライドレールの平行を確認し、ヒキダシも仮締めで取り付けます。

5ドロワーメンバー後方の取付穴はアクセスホールを利用して取り付けます。

6ヒキダシの反対側も③④と同様の手順で仮締めします。

7動作確認でヒキダシを何度か開閉して下さい。動きが軽くなったところで本締めして完成です。

1フレームや側板などに取り付ける位置を決めて、アウターメンバーを仮締めします。

2アウターメンバーのフロント側の取付穴はアクセスホールを介してねじを止めます。

3反対側の相手方も①②と同様の手順で、アウターメンバーを仮締めします。

4左右のスライドレールの平行を確認し、ヒキダシも仮締めで取り付けます。

5ヒキダシの反対側も③④と同様の手順で仮締めします。

6インナーメンバー後方の取付穴をねじ止めする場合は、インナーメンバーを後方にずらして行います。

7ヒキダシの反対側も③④と同様の手順で仮締めします。

8動作確認でヒキダシを何度か開閉して下さい。動きが軽くなったところで本締めして完成です。
モデル201、2721、2421インナーメンバー後端の取付けって?
モデル201のインナーメンバー後方のねじ穴は、インナーメンバーを後方にずらして取付を行います。モデル2721、モデル2421ではアウターメンバーのアクセスホールから取り付ける必要があります。
アウターメンバーを先に取付け、その後でインナーメンバーを取り付けようとした場合、側板やフレームの該当箇所にアクセス可能な逃がし穴を明けておく必要があります。それが無理な時にはインナーメンバー前方のねじ穴だけで止めなければなりませんので、耐荷重のマージンは十分に取って頂くようお願いします。


1まずはヒキダシにとりつけるドロワーメンバーを引き抜いて取り外します。

2フレームや側板などに取り付ける位置を決めて、アウターメンバーを仮締めします。

3キャビネットメンバーのフロント側の取付穴はアクセスホールを介してねじを止めます。

4反対側の相手方も②③と同様の手順で、キャビネットメンバーを仮締めします。

5動作確認でヒキダシを何度か開閉して下さい。動きが軽くなったところで本締めして完成です。

6ドロワーメンバーを差し込みやすくするため、取付け済みのスライドレールの中間メンバーを全開にしておきます。

7ドロワーメンバーをガイドボールに沿って差し込みます。

8動作確認でヒキダシを何度か開閉して下さい。動きが軽くなったところで本締めして完成です。
カスタム品は高くて、納期が長い。というイメージはありませんか?日本アキュライドでは、そういったイメージを払拭できるノウハウがたくさんあります。カスタム品のお問い合わせは以下のボタンから。
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